「若い力で伝統文化の経済を回す――」

昨今、伝統産業の廃業や伝統芸道の愛好家の減少など、伝統文化をとりまく環境は年々厳しくなっているといわれています。これを打破するために後継者育成プログラムや伝統工芸体験イベントなどが広く開催されています。

私たち『京文化を味わう会』はご縁があって古都で学生生活を送れることになった若者を中心とし、京都の地元の方々に芸道のお稽古や日々のしきたりの勉強、伝統工芸の体験などをしております。お礼として何かできないかと考えているうちに、上述のイベントは主に小中学生や壮年期以降の方が対象であり、まだ多感であるとともに就職活動などで人生でも大きな決定をせねばならない大学生が対象であることは少ないことがわかりました。

そこで『京文化を味わう会は』以下の3本の活動方針を定めております。

(1)会員が京文化を学ぶのみならず、イベントの開催などを通じて大学生など一人でも多くの若者に京都の伝統文化の魅力を知ってもらう活動をします。参加者の方々が将来購買力が出てきたときに伝統工芸品を買ってもらったり伝統芸道を観賞したりしてもらうこと、家庭をもったときに子供に文化を伝えることで文化の継承をしてもらうこと、それらにより伝統文化の経済が活発になることによって伝統産業や芸道の道に進む人が増えてもらうことを目指しております。

(2)学生の一方的な思い込みやエゴではなく地元の方々が本当に困っていることを解決するお手伝いをします。たとえば季節行事の運営と集客のお手伝い、伝統文化の発展への外部資金の獲得、(とくに海外に発信する際の)間違った情報の訂正などがあげられます。

(3)(1)、(2)はともに当会員と地元の方々との一対一の信頼関係によって行われることを強調しております。他団体・組織や行政を介してではないというのが当団体の一番の特徴です。実際、伝統工芸士さまより直接ご依頼を受けることも多々ございます。

当団体は社会人OB3名と大学生22名(2024年3月13日現在)で活動をしております。出身大学は留学生を含んで京都大学を中心とし、同志社大学、同志社女子大学、奈良女子大学、京都女子大学、滋賀医科大学、近畿大学と多岐にわたっています。現在の代表は京都大学工学部4回生の永淵 翔大がつとめております。

まだまだ私たちは若く、青二才であるところも多々ありますが、ご批判も謙虚に受け止め、微力ながらお世話になっております京都に貢献できればとの思いでございます。ゆくゆくは日本各地で地元の文化を愛する若者の動きが増えればとの期待もしております。『京文化を味わう会』へのご意見、ご要望がございましたらご遠慮なく kyotoculture.youngergeneration@gmail.comまでお申し付けください。